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東京砂漠

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今年の最高気温更新という日、私は東京にいた。多湿度に加えて30度をゆうに超す暑さの中では意識は朦朧とし、日陰に入ろうとも湿った熱風が容赦なく襲って来る。東京砂漠とはよく言ったものだ。しかしながら催事場ではこれでもかと冷房が効いていて、汗で湿った下着をあっという間に冷やしていく。こんな中、2000人を飲み込んだ会場では2時間半にわたる表彰式が執り行われ、受賞者の付き添いである私も参加した。多くの祝辞の中で特に田宮文平氏の言葉が印象に残った。「国際社会の中、おおいに文化交流をしようではないか。書を通しての心のふれあいは融和をもたらすであろう」など、など。
私は欲張りで、あれもしたい、これもしたいとアメリカに来た時に思ったことがあった。しかし半分も実現せずに早20年近くが経つ。ただ、この年月は自然と両国の慣習の相違を発見するには十分であり、大いに勉強になった。取捨選択し大事なことを一つだけ選ぶ大人になるべきだとわかっていても、使わなくなったおもちゃでも他人にはあげられないと駄々をこねる子どもの気持ちも《いや大人だって同じ》理解できる。社会的に中堅に差し掛かった今、この無邪気な駄々っ子の気持ちを大切にしていきたいと思う。大切なものは人それぞれ違っていいのだから。