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墨色

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今のところシアトルの冬は気持ちが悪いくらいに暖かい。昨年の今頃は滝が凍るほどの厳しい寒さだった。まだまだ冬は始まったばかりなので何とも言えないが、オール電気の我が家にはありがたい。今日は、と言っても早朝であるが久しぶりに「大好山水」を使って作品書きをした。一昨日から磨り始めたので我が家は久々に墨香が漂う、書家の家らしい趣を成したのである。以前は日常風景だった墨磨機の研磨音もここしばらく聞くことはなかった。なぜなら中国産の膠の質の低下が著しく、磨っても磨っても濃くならなかったり、磨れてもすぐに糸引いたりと以前の「大好山水」ではなくなったからである。宣紙の質の低下に合わせて墨も別物に変わってしまった。とはいっても墨液よりはまだまし。生産国と同じ「硬水」であるアメリカの水にわずかな望みを託し、気を取り直して得意の一気呵成で書き上げてみた。墨の色の変化をわかっていただけたら上出来!かな。この作品は2019年6月、国立新美術館で開催の「日本の書展」に出展予定。
(半切、34.5cm×137cm)

麒麟、鳳凰、龜、龍、の四種の神聖で霊妙なる動物たち。「禮記」にこれを四霊というとある。